2010年度
N4.TOWER
[大阪市北区/集合住宅]
概要
大阪の中之島に建つ、地上34階、住戸数343戸の集合住宅である。中之島は、かつて水路により栄えた水の都大阪の中心地であり、また中央公会堂をはじめとする歴史的建造物や、フェスティバルホール、国立国際美術館などが川沿いに建ち並ぶ、歴史と芸術・文化的に恵まれた場所である。このような立地特性から、大きな水盤と滝のある水景と、アートを配したエントランスホールにより、入居者だけでなく周辺の街並みにも働きかける開放的なランドスケープを計画した。また、超高層ビルが建ち並ぶ都市景観と、下層から上層へと階よって変化する住環境に配慮した、空に向かってグラデーション状に変化する新しいファサードを創出した。
- 背景
- 土地の魅力を計画に取りこみ、周辺の都市環境に応答することにより、「中之島で暮らす」ことの魅力を日常的に享受できる住環境の創出を目指した。また、オフィスやホテルなどの超高層ビルが建ち並ぶ都市景観に配慮し、都市に建つ集合住宅の景観を問い直すとともに、開放的なランドスケープによって街並みに働きかけることにより、これから中之島の街づくりに寄与する超高層集合住宅の実現を目指した。
- 評価の
ポイント
- 端正なデザインで、軒先や角周りなどがきれいに収まっている。都心部の景観を形成する要素として評価する。
物件
コンセプト
コンセプト
「中之島で暮らす」ことの魅力を日常的に享受できる住環境の創出を目指して
都市型超高層集合住宅は、入居者はもちろん、周辺の街並みや訪れる人々、さらには周辺の都市景観への配慮が不可欠である。街並みとダイレクトにつながる接地階、周辺建物に囲まれる低層階、視界が開けてゆく中・高層階と、高さに応じて変化してゆく都市環境に応答していくことが、都市に建つ超高層集合住宅の本当のあり方の一つであり、そこから導き出されたファサードが、都市にふさわしい景観を生み出す。